在日シンガポール大使館の元参事官が東京都内の銭湯で男子生徒を盗撮した疑いがもたれている問題で2日、シンガポール外務省が元参事官を職務停止にしたと、現地メディアが報じた。さらに、「疑惑が事実と判明すれば、外交官の(逮捕などを免除される)特権を放棄する用意がある」と表明したという。
ウィーン条約で、外交官には刑事事件で訴追や身体の拘束が免除される「不逮捕特権」が定められている。そのため、事件や事故を起こしても通常は滞在国での罪に問われない。しかも、シンガポール外務省は、元参事官が人事異動で4月中旬に帰国したとしている。
シンガポール外務省の担当者が2日夜、主要紙ストレーツ・タイムズなどに語った内容によると、外務省は日本側の捜査に全面的に協力する姿勢を示している。
元参事官を職務停止にしたのは捜査を促進するためだとし、「2月27日に容疑がかけられて以降、日本側からまだ情報を得られていない。関係当局に情報を求めており、事件を徹底的に調査するつもりだ」と述べた。(バンコク=大部俊哉)
朝日新聞デジタル – 2024/05/03 02:05
在日シンガポール大使館の元参事官が、東京都内の銭湯で男子生徒を盗撮した疑いがもたれている問題で、シンガポール外務省が元参事官を職務停止にしたと報じられた。更に、「疑惑が事実と判明すれば、外交官の不逮捕特権を放棄する用意がある」という声明があった。
問題点としては、まずウィーン条約における不逮捕特権が挙げられる。この特権により、外交官は通常の滞在国の刑事罪に対して責任を負わないことができる。しかし、この特権の濫用や不当な適用は、法の公正さや社会の信頼性に影響を与えかねない。
シンガポール外務省が元参事官を職務停止したことは、捜査の進行を妨げないための措置とされている。しかし、元参事官が帰国した後も、日本側からの情報提供が滞っていることは問題である。捜査に必要な情報の迅速な提供がなされない場合、事件の解明に支障をきたす可能性がある。
シンガポール外務省が日本側の捜査に全面的に協力する姿勢を示しているという点は評価されるべきである。しかしながら、情報提供の速度や内容については、より効果的な方法が模索されるべきである。捜査の円滑な進行のためには、関係当局との連携が重要であり、事件の真相解明に向けた努力が継続されることが望ましい。