あなたは、スマートフォンのアプリやブラウザ上などで「最近話していた話題やモノが、広告に出てくるようになった」と感じた経験はありませんか? もしかしたら、ターゲット広告を配信するために、スマホに“会話を盗聴”されているかもしれません。個人向けセキュリティーサービスを提供するNordVPN(オランダ)が、「スマホによる会話の盗聴」について調査を実施。その結果を発表しました。
【要注意】うわぁあああーーー今すぐやって!!! これが「スマホに盗聴されているか」確認できる“簡単テスト”です!
調査期間は2024年12月2日から同月5日。好きな動物やランダムに選んだ国などについて、スマホの近くで会話し、そのテーマについてターゲット広告が配信されているかを調査したものです。
まず、ランダムに選ばれた国について、観光局やその他の企業から広告が増加するかを調査したところ、同社の研究者が「サウジアラビアを訪問したい」とスマートフォンの近くで会話すると、ホテル予約サイトのFacebook広告に、サウジアラビアの都市・アルウラのホテルとその価格が表示されるという結果が。アプリ中で、サウジアラビアに関する情報は2日後に表示され、さらにアルウラのホテルに関する広告が3日後に表示されたといいます。
さらに、ランダムで選んだ動物について、その動物に関する広告表示が増加するかを調査。その結果、オランウータンについてスマホの近くで会話した日(調査日)の翌日に、動物慈善団体によるオランウータンのチャリティーに関する広告を受信したということです。
この結果から、ユーザーがスマホの近くで会話した内容のターゲット広告を受信することが明らかに。同社は「盗聴が合法か違法かは、ユーザーの利用規約の同意に左右されています。ユーザーが利用規約で会話の内容を提供することに同意したり、盗聴を許可するように設定を行ったりした場合は合法になります。一方で、ユーザーの同意なく盗聴した場合は、違法になります」と指摘しています。
なお、同社は、スマホに会話が盗聴されているか確認する簡単なテスト方法として、「自身のスマホ付近で、普段検索しないようなランダムな話題について会話し、その後数日から数週間の期間にその話題に関連する広告が表示されるかどうかを確認する」方法を紹介しています。
今回の調査結果を受け、同社最高技術責任者のマリユス・ブリエディスさんは「つい先ほどまで会話していた内容についての広告が表示されることは、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか? 私たちは通常、自分が興味のあるものに関する広告を何気なく受け流していますが、これはデバイスが私たちの個人データや興味について過剰に把握している可能性を示唆しています」と指摘。
その上で「プライバシーを守るために、アプリのアクセス許可を見直し、制限することが重要です。特に、マイクと位置情報へのアクセス権限には注意が必要です。便利さはしばしばプライバシーを犠牲にしていることを忘れないでください」と警鐘を鳴らしています。
検索したわけではないのに、会話していた内容に関する広告が、なぜかスマホ上に表示された――。「もしかして私の会話、スマホに聞かれてる…?」そう思った経験、あなたにもありませんか?
オトナンサー – 2025/03/13 21:10