鹿児島県警の不祥事を巡り、当時の幹部3人を参考人招致して、16日に開かれた県議会総務警察委員会。3人は対応の不手際を認めて謝罪した。岩瀬聡本部長は「一連の事案は、県警が抱える様々な問題が凝縮されている」と述べ、再発防止策に生かして組織を立て直すことを強調した。(小林未南) 【写真】鹿児島県警察本部
昨年12月に起きた枕崎署員による盗撮事件では、当時、署員が関わっている可能性が浮上したが、証拠が不十分だとしてすぐに本部長指揮にならなかったことや、指示がうまく伝わらずに2日間捜査が中断したことが明らかになっている。
この2日間にも事件が起きたことを問われ、当時の首席監察官で、鹿児島中央署長の上別府高宏氏は「誠に遺憾であり、被害者の方に対して大変申し訳なく思っている」と謝罪した。
盗撮事件を巡っては、前生活安全部長の本田尚志被告(61)(国家公務員法違反で起訴)が、野川明輝前本部長が隠蔽しようとしたと主張している。
この点について上別府氏は、当時、本田被告にも野川氏からの指示を伝えたと説明。「前本部長から私に隠蔽の指示は一切なかった」とし、「報告に行き、指示を受けたのは私一人であり、前生安部長の主張は分からない」と語った。
また、霧島署員によるストーカー事案について、当時の霧島署長で、生活安全部長の南茂昭氏が出席。当初、監察事案と判断し、県警本部の捜査を担当する部署に報告しなかった不手際を認め、「被害者に寄り添った対応ができていなかった」と陳謝した。
再審対策などで捜査資料の廃棄を促すような文書「刑事企画課だより」が出されたことについては、当時、県警刑事企画課長だった警務部参事官の川崎清氏が決裁過程での精査の不十分さを認めた。
岩瀬本部長は「幹部職員が適切な業務管理をしっかりやっていれば、こういうことにならなかった。深い反省に立って今後の業務に生かす」と述べた。
読売新聞オンライン – 2024/12/17 16:25