福井県の福井市医師会が運営する住民健診センターの元職員が健康診断中に受診者を盗撮した問題で、医師会は6月28日、市内で記者会見を開き、経緯を説明した。元職員の男性(25)がスマートフォンで受診者を動画撮影したとし、21日付で懲戒解雇処分とした。笠原善仁会長は「被害者や関係者に心からおわびする」と謝罪した。
元職員は一般事務職で、健診時は機器の運搬などを担当していた。住民健診センターの業務として県内の施設に出向いた健診で、ついたての間からスマホを差し出して受診者を動画で撮影したという。被害者の年齢や盗撮した日時、場所などは、プライバシーに配慮し明らかにしなかった。
受診者が撮影に気づき、警察に被害届を提出した。県警は盗撮事件として捜査している。医師会は11日に事案を把握し、元職員に聞き取りしたところ、盗撮を認め「申し訳ないことをした」と話したという。
今後の健診では▽職員はスマホを所持しない▽職員が1人になる状況をつくらない▽職員と受診者が1対1になる状況をつくらない―などの対策を講じ、職員に対する倫理教育にも努める。笠原会長は「信頼回復に向け誠心誠意、健診業務に取り組む」と述べた。
住民健診センターは福井市の県医師会館に事務所があり、県内の事業所や学校で健診業務を行っている。
福井新聞ONLINE – 2024/06/29 08:38