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警視庁が“盗撮犯”の容疑を「迷惑防止条例」から「撮影罪」に訂正…その“思惑”とは? 小さいようで大きい2つの法律の違い

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JR山手線の電車内で女性のスカート内を盗撮しようとしたとして、警視庁高輪署は10日、性的姿態撮影処罰法(撮影罪)違反(撮影未遂)の疑いで、国土交通省職員の男を現行犯逮捕したーー。

【図】盗撮による検挙件数 実はこの報道、共同通信が12日に配信したものだが、第二報。当初は「性的姿態撮影処罰法違反」容疑ではなく、「東京都迷惑防止条例」違反の疑いとなっていた。発表から数時間後に警視庁が訂正したのだ。

大きな意味では、どちらも「盗撮」を罰する法令であり、間違いとはいえない。だが、撮影罪が新設された経緯や盗撮の特性を考えると、見過ごせないことであり、訂正を発表したことには意義がある。

新設の撮影罪が施行されたのは2023年7月13日。盗撮にピンポイントの法律で、罰則も厳しくなっており、抑止力になると期待されていた。

ところが、ふたを開けてみれば、丸1年経過後も盗撮の検挙件数は増え続け、前年比(2022年=5737件)1196件増の6933件となり、歯止めがかからなかった。

なぜ、盗撮を減らすための法律新設が抑止につながっていないのか。その要因が盗撮検挙数の詳細データが示す、検挙理由に隠されている。

警察庁のデータによると、「撮影罪」によるものは1203件、従来の「迷惑防止条例」によるものが5730件となっている。つまり、盗撮容疑でも、約8割が、従来の迷惑防止条例の適用による検挙なのだ。

一般社団法人全国盗撮犯罪防止ネットワーク(全盗防ネット)理事長の平松直哉氏は、撮影罪施行後のこうした状況に「警察が真剣に盗撮への対応に取り組んでいるのか疑問を感じざる得ません」と不満をにじませる。

平松氏はこうした状況の原因として、盗撮は犯罪を立証する証拠をそろえづらく、被害者を特定しづらいケースが多い。その結果、対象がよりワイドで「運用しやすい迷惑防止条例を適用するケースが多いのでは」と推察する。

これが事実だとすれば、撮影罪を新設した意味がなくなってしまう。撮影罪は、確かに従来の迷惑防止条例、軽犯罪法違反、刑法の建造物侵入罪・住居侵入罪でも処罰可能だ。ただし、いずれも場所や行為など対象が限定的で、盗撮に対し間接的側面が強く、いびつ感がぬぐえなかった。

最も適用ケースが多い迷惑防止条例においては、都道府県によって規制内容が異なるため運用が難しく、罰則も比較的ゆるやか。そのため、再犯防止の抑止力としての効果が乏しいという指摘も多い。

弁護士JPニュース - 2024/09/16 09:30


 

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