スマートフォンの普及に加えカメラの無音アプリが出たことも関係してか、近年、航空機内におけるキャビンアテンダント(CA)の盗撮被害が問題視されている。
【画像】マジ!? これが1960年代の「客室乗務員」です! 画像で見る(6枚) CAの盗撮については、撮影した本人が画像を個人的に保管して楽しむ場合もあるだろうが、SNSがグローバルに浸透し、日本のみならず世界各国の人々が投稿することで、この犯罪行為が可視化されると同時に拡散されている。
日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)をはじめとする日本の航空会社各社、そしてその19社が加盟する業界団体・定期航空協会(定航協)も盗撮の対策を進めている。
そんななか、NEWSポストセブンに「《全日空CAが標的に…》海外SNSに投稿された乗務中の“盗撮画像”に『マジでキモい』と批判殺到 ANA広報部は『決して許されない行為と捉えています』『2023年より撮影罪で処罰の対象』」が掲載された(2025年3月10日付け)。
中国の大手SNS「RED(小紅書)」に投稿されたのは、CAが補助シートに座り業務用タブレットを見ている全身写真の画像で、 「#美腿(美脚を意味する)」 などのハッシュタグとともに、「私は全日本空輸の女性たちみんな大好き」といった内容の文章が中国語で付けられていた。ANAはRED社へ削除依頼し、この投稿は削除済みではあるが、REDには各航空会社のCAの写真が多数掲載されているという。
こういった盗撮行為の根底にあるものは何なのだろうか。
そもそも、なぜCAが盗撮されやすいのか。ひとつにCAという職業の 「偶像化」 があるだろう。欧州系航空会社の場合は男性の割合が日本に比べて多く、率直にいえば、女性も屈強そうなタイプのCAが多いのに対し、東アジアにおいてCAは 「憧れの職業」 「空の旅を演出する華やかな存在」 とされている。中国の場合は特にその傾向が強いようで、以前中華系の航空機に乗った際、スタイルのよい美女の多さに驚いたものだ。いわゆる彼女たちの「素材のよさ」に加え、制服も評価される。パイロットの制服もそうだが、CAの制服には権威性ともいえる、ある種の特別感が漂う。
日本のCAはエレガントで柔らかい立ち居振る舞いや笑顔、細かい気配りが特徴的で、それはあまり他国のCAには見られないかもしれない。そこに 「女性は優しい」 「女性は気が利く」 といった母性的なジェンダーロール(社会的に期待される性別に基づく行動や役割)を男性が見出し、勝手に「消費対象化」される面もある。
「日本のCAは美しい」「サービスレベルが高い」という海外での評判に、おそらく日本のアダルトビデオ人気も結び付けて幻想を持たれている可能性がある。
航空機は比較的高い料金を払うせいか、または上空の閉鎖空間のせいか、 「客だから何をしても許される」 といった顧客意識が地上より強い傾向もあり、こうした関係性も盗撮行為の温床となりやすいことに影響しているかもしれない。
Merkmal – 2025/03/17 14:51