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映画の借金返済で執筆活動へ 米国で〝盗撮〟 面白い番組のため何だってやる 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗<18> 

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《東京12チャンネル(現テレビ東京)のディレクターとして、タブーギリギリのドキュメンタリー番組をつくり続けた。その〝アブナイ姿勢〟は異国でも変わらない》 「マフィア酒場」などの撮影のためにアメリカへ渡ったのは1973(昭和48)年。〝新宿ゴールデン街人脈〟の一人、小田実(まこと)さん(※1932~2007年、「ベ平連」創設者の一人)のツテでした。

ニューヨーク郊外にあるイタリア系マフィアが仕切っている酒場を訪ねた夜、いきなり血まみれの男が転がり込んできた。銃と酒とバクチと売春婦…。麻薬中毒のベトナム帰還兵もいる。そんな光景を撮って『ニューヨーク番外地~心やさしきマフィアたち~』(49年放送)という番組をつくりました。

「お前(ディレクターの田原さん)も客と同じことを体験しろ。そうじゃなきゃ撮らせない」と言われてアヤシイこともやった。よくそんなことを、って? 面白い番組のためには何だってやるんだよ、僕は。

ベトナムから脱走してきた兵隊が収監されている刑務所も撮影しました。まず取材名目を「近代的な刑務所を日本で紹介したい」として、OKをもらう。僕が副所長のインタビューをしているスキに、カメラマンと録音担当が〝勝手に〟脱走兵が収監されている独房へ侵入してインタビューを撮るという作戦。まぁ盗撮ですね。

この番組には放送後、在日アメリカ大使館からクレームがきたけど、何とか丸め込んで収まった。えっ、もし盗撮がバレて捕まっていたら…そうなったらそうで面白いじゃない。

《こうしたテレビの仕事のかたわら、初の映画監督として撮ったのが『あらかじめ失われた恋人たちよ』(昭和46年)である。出演したのは、新人女優だった桃井かおり、カメラマンの加納典明、石橋蓮司…》 もともと映画は好きで、ドキュメンタリー番組をつくっているうちに「1本撮ってみたい」と夢見るようになった。作家志望は文才がなくてあきらめたけど、映画なら撮れるんじゃないか、って思ったわけ。

テーマは、全共闘の学生運動に敗れた若者たちの〝その後〟を描くこと。男優2人(加納と石橋)は決まったものの、主演女優がなかなか見つからない。30人くらいに会ってやっと決まった桃井さんはイギリスから帰国して文学座の研修生をしていた。当時はウブな感じで、絡みのシーンがあると、「どう演じたらいいんですか?」と僕のところへ相談にきたほど。

産経新聞 - 2024/10/20 12:00


 

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