熊本県内の駅や電車内で痴漢や盗撮の被害が増えている。痴漢や盗撮は女性の背後から狙うことが多いとして、県警は後方に注意するなどの対策をアドバイスしている。
県警生活安全企画課によると、駅や電車内での痴漢や盗撮などの被害は今年1~5月、34件の届け出があり、前年同期より12件増えた。内訳は痴漢14件、盗撮7件、その他(声かけやつきまといなど)13件。6月25日には熊本市のJR鹿児島線の駅構内で、50代の男が女性の尻を触ったとして不同意わいせつ容疑で逮捕された。
背後から体を触る痴漢のほか、スマートフォンなどのカメラをスカートの下に差し込んでの盗撮も目立つ。生活安全企画課は▽電車内や駅のエスカレーター、階段では後方に注意▽電車を降りた後、不審者につきまとわれていないかを確認▽携帯電話で通話したり、イヤホンで音楽を聴いたりしながらの「ながら歩き」をしない-などの被害防止策を挙げる。
盗撮は本人が被害に気付かないことが多く、同課は「行為を目撃したら被害者に声をかけたり、警察に通報したりしてほしい」と協力を求める。
痴漢や盗撮が増えていることを受け、JR熊本駅で今月1日、学生ボランティア「防犯若武者ベアーズ」のメンバーや警察官、高校生ら約30人が利用者にリーフレットを配り、被害防止を呼びかけた。活動に参加した文徳高校2年の女子生徒(16)は「学生から社会人まで幅広い世代に注意喚起できた。被害が1件でも減ってほしい」と話した。(遠山和泉)
熊本日日新聞 – 2024/07/13 09:15