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盗撮やつきまとい、座席のアップグレードなど過剰な要求はカスハラ…ANAHDと日本航空が統一基準策定

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 ANAホールディングスと日本航空は28日、乗客から理不尽な要求を突きつけられる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」に対する基本方針を共同で策定したと発表した。カスハラの定義や分類を共通で明文化することで、業界としてカスハラへの対応を取りやすくする。

 カスハラを「顧客が優越的な立場を利用し、不法行為や不当な要求をすることで、従業員の就業環境が害されること」と定義し、組織的に対応することを明確にした。具体的な行為を、暴言や暴行、セクハラなど9種類に分類した。

 「過剰な要求」は、規定を超えた補償金や座席のアップグレードを求めることなど。「社員を欺く行為」として、搭乗券の不正利用のほか、元からあった手荷物の傷をフライトによるものだと主張することなどを挙げた。「セクハラ」には、盗撮やわいせつ行為のほか、つきまといなども含むとした。

 これまでは統一基準がなかったが、定義をはっきりさせることで、乗客の言動がカスハラなのかどうか、従業員が現場で判断しやすくなる。利用者への発信を強化し、カスハラの未然防止を図る狙いもある。

 ANA、JALとも昨年度、それぞれ約300件のカスハラが社内で報告されている。両社の労働組合が加盟する航空連合が2022年に行った調査では、客室乗務員の7割以上が、「乗務する機内で盗撮や無断撮影をされたことがある」「あると思う」と答えた。また、従業員の37%が「1年以内にカスハラを受けた」と回答した。

 ANAでカスハラ対策を担う宮下佳子CS推進部長は28日の記者会見で、「業界の魅力が薄れれば、働きたいと思う人が少なくなる。放置できない問題だ」と強調した。

読売新聞オンライン – 2024/06/28 18:49


 

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