鹿児島県警枕崎署の元巡査部長が性的姿態撮影処罰法違反(撮影)などの罪に問われ、2024年9月に有罪判決を受けた事件を巡り、南日本新聞は同12月、捜査の進め方を記録する本部長事件指揮簿と署長事件指揮簿の公文書を開示請求している。県警は「開示・不開示の判断に相当の時間を要する」として期限を今年2月17日に延長。捜査や裁判は終結しており、判断が注目される。
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南日本新聞は裁判開始前の24年6月18日にも、元巡査部長の事件に関する全ての事件指揮簿と犯罪事件受理簿、犯罪事件処理簿を開示請求していた。県警は7月1日付で「開示・不開示の判断に相当の時間を要する」として、期限を同3日から8月16日に延長。同9日に犯罪事件受理簿と犯罪事件処理簿の一部の開示を決定したが、本部長指揮簿と署長指揮簿については「訴訟に関する書類に記録されている個人情報は、県情報公開条例の適用外」として開示しなかった。
元巡査部長は9月10日、鹿児島地裁から懲役2年執行猶予3年の有罪判決を受け確定した。12月16日の県議会総務警察委員会では、県議側から指揮簿の公開を求める声が上がり、県警は「開示請求があれば個別検討する」と回答している。
南日本新聞は同17日に再び両指揮簿を開示請求。県警は同25日付で開示期限を今年1月6日から2月17日に延長した。1月15日現在、開示されていない。
県の情報公開条例は、開示請求から15日以内に可否を決定し、理由がある場合は45日以内に限り延長できる、と定めている。
事件は23年12月19日に認知。野川明輝前本部長は同22日に報告を受けたが、本部長指揮とはせず、署で捜査するよう指示した。24年5月に本部長指揮に切り替え、同13日に逮捕した。
事件を巡り、前生活安全部長=国家公務員法(守秘義務)違反の罪で起訴=は「野川氏が隠蔽(いんぺい)しようとした」と主張している。
南日本新聞 - 2025/01/16 06:03