全国1位のカリスマ風俗嬢・まりてん。
しかしきらびやかな現在とは裏腹に、彼女の幼少期は新興カルト宗教にハマった母親から数々の制約を押しつけられる苦難の日々の連続だった。「清廉潔白であれ」という教義に抗う形で、大学進学を期に夜遊びをはじめた。様々な男性と関係を持っていくうちに、ピロートークで吐き出される「ドロッとした本音」にこそ本来の「人間らしさ」が詰まっていると感じ、風俗業界に自ら身を投じるようになった…。
【漫画】「しすぎたらバカになるぞ」…性的虐待を受けた女性の「すべてが壊れた日」 彼女がどのような人生を歩んできたのか。初めて明らかになる「カリスマ風俗嬢の過去」と「風俗業界のリアル」を、処女作『聖と性 私のほんとうの話』から抜粋してお届けする。
『聖と性 私のほんとうの話』連載第17回 『「仕事」にすることでやっと「普通の人間」になれた…「デリヘル嬢」として働き初めてから気づいたこと』より続く
私が聞いていて好きだったのは社会的に地位がある人の自慢話でした。だいたい風俗店に来て話す自慢話って自分がこういう仕事したとかじゃなくて、「部下がほんとにダメでよお」みたいな悪口です。
あるいは学校の先生が生徒の文句をひたすら言うとか。ただ、そういうドロッとした内面を引き出せれば、もうこっちの勝ちです。リピーターになってくれます。
その一方で、その学校の先生が盗撮なんかしてたりするわけです。生徒がなっとらんみたいなことをいつも言っているのに、自分はどうなんだ、と。そういう大人の心の裏表に接するのがとても新鮮でした。
携帯電話の待ち受けに赤ちゃんの写真を使っているお客様にも最初は衝撃を受けました。まだ私も大学生でしたから、「赤ちゃんいるのにこんなとこ来るんだ」とびっくりしたりしたんです。人間って欲張りというか、いっぱい求めるんだな、と。そういう道徳に背いてる、聖書の教えに反するようなことをするお客様の話は私の大好物でした。
なかには「いま総額300万円くらいの借金あって明日5万円返さなきゃいけないのに会いにきちゃった」っていう、あまりうまく働けてないような人もいて、そういうお客様には私が興味津々になってしまって「なになに?いつからそんな状況になっちゃったの?」って食いついたりして。私は挫折というのか、傷を負った人生を歩んでいる人が好きでしたから。
現代ビジネス – 2025/02/05 07:04