盗撮や痴漢の被害を防ごうと、兵庫県警とJR西日本は23日、JR三ノ宮駅(神戸市中央区)のエスカレーターに面した壁に、背後などの様子が見える鏡を設置した。県警によると、大阪府や埼玉県などの鉄道駅では同様の「広角鏡」が導入されており、兵庫県内では初めてという。近くに鏡があると、つい見てしまう人間心理を利用し、周囲への警戒を促す。
【写真】盗撮被害防止の広角鏡を設置する駅員 県警が確認した盗撮被害はここ数年、年間300件前後に上り、うち1~2割が駅構内で発生している。JR三ノ宮駅はエスカレーターの距離が長い上、駅利用者が特に多いことから、県警が鏡の設置をJR西側に打診した。
設置した広角鏡(縦、横ともに25センチ)は通常の鏡より広い範囲を映すことができ、すぐ背後の人物のほぼ全身が見える。上りエスカレーターの壁面の2カ所に取り付けられた。
鏡の横には「警戒中」「見ています」の文字とともに、大きな目のイラストが描かれたポスターも掲示。周囲から見られていると認識させることで、犯罪抑止の効果も狙う。
また県警は同駅で、県立葺合高校放送部によるアナウンスでも注意を呼びかけるほか、23日には啓発グッズを配布した。(篠原拓真、大高 碧)
神戸新聞NEXT – 2024/10/23 20:26